人は歳を重ねるにつれ、どうしても足腰が弱くなってしまいます。
「自分はまだ大丈夫」と思いたいところですが、予想外の事故に遭ってしまう恐れもあります。
実は国民生活センターに寄せられた医療機関からの報告をまとめると、高齢者の事故発生場所は77.1パーセントが家庭内となっています。
つまり、自宅で過ごす時間が長くなるからこそ、しっかりとした安全対策が必要なのです。
この問題は、「手すりを付ける」などのバリアフリーリフォームで、解決することができます。
幸いなことに、各自治体ではこれらの高齢者対策工事に対して、補助金で支援する政策を打ち出しています。
たとえば静岡市では、「介護保険住宅改修・介護予防住宅改修」(最大20万円)、「障害者住宅改造費補助」(最大100万円)、「あんしん住まい助成制度」(最大100万円)といった補助金があり、同時に複数の助成を受けられる場合もあります。
では具体的に、どんな工事が助成に該当するのか、主なものを具体例とともに見ていきましょう。
補助金がもらえるバリアフリーリフォーム
1.手すりの取り付け
廊下、トイレ、浴室、玄関、アプローチなどに設置するもので、転倒防止、移動または移乗動作を手助けすることを目的として工事を伴うものに、補助金が出ます。
手すりの形状に指定はありませんので、体の状況に合ったものを選びましょう。
2.段差の解消
各部屋と部屋の間の段差の解消や玄関まわり、玄関から道路までの段差を解消する工事が助成されます。
具体的には車いすで出入りできるようにスロープを設置したり、敷居を低くしたりすることなどが主な工事内容になります。
ただし、昇降機やリフトや浴室の床を底上げする「すのこ」などは福祉用具購入の支給対象になるため、住宅改修費の支給対象にはなりません。
3.滑りの防止及び移動の円滑化等のための床、通路面の材料変更
高齢者の家庭内の事故では転倒も多くあります。
これも補助金により、各部屋の床材を滑りにくいものに変更することが可能です。
溝を付けるなどの床材の表面加工や、階段へのノンスリップの取り付けなども支給対象になります。
車いすの場合は、畳をフローリングなどの固い床材などに変更する工事でも補助金が出ます。
4.引き戸などへの扉の取替え
足腰が弱い場合も同様ですが、特に車いすの場合は、開き戸では暮らしにくくなります。
そこで、開き戸を引き戸に替えるほか、ドアノブの交換工事についても、補助金の対象となります。
そのほか、既存の引き戸が重くて開閉が困難な場合や、開き戸を折り戸、アコーディオンカーテンなどへの取り替え、戸車の設置なども対象となります。
単純に「古くなったから」という理由での取り替え工事は対象になりません。
5.和式便器から洋式便器などへの便器の取替え
和式トイレから洋式トイレへの交換、暖房便座や洗浄機能がついた洋式トイレへの交換が、補助金の対象になります。
また、洋式トイレのかさ上げや便座の高さの高い洋式トイレの交換なども支給対象になります。
いずれの場合も既存の洋式トイレが古くなったため交換したいという場合は適用されませんので、注意が必要です。
さらに、上記1~5の各工事に付帯して必要と認められる工事についても、補助金が出ます。
いかがでしたでしょうか。
住み慣れた家で末長く快適に暮らすのであれば、しっかりとしたバリアフリーリフォームをしておけば安心です。
早めにバリアフリー化を済ませておけば、手すりの位置・高さなどを体が覚えるので、夜のトイレから将来のいざというときまで、何かと安心です。
充実したシニアライフを過ごすためにも、ぜひ一度、バリアフリー化をご検討ください!