静岡の街を走ってみると、実にさまざまな家を見ることができます。
シンプルだけど素材が凝っている家、瓦を使った立派な和風の家、絵本から出てきたようなプロヴァンス風の家など…。
どの家も、そこに住んでいる人のこだわりが表現されていて、眺めるだけでも楽しくなります。
このように私たちが目にする部分は、「外装」と呼ばれています。
具体的には屋根や外壁などで、いろんな色・柄・素材がありますが、実は雨風を防ぎ、住まいを長持ちさせながら暮らしを快適にする、とても重要な部材なのです。
そのため、各メーカーでは日々開発の努力が続けられ、毎年のように新しい商品が発表されています。
色や柄だけでなく、防汚性や耐震性、そして耐候性や耐久性なども、高機能なものへと進化を続けています。
沿岸部の住まいで気をつけたい「塩害」
しかし、私たちが住む静岡には「海」があり、「潮風」があります。
外装は雨風や紫外線によって経年劣化していくものですが、潮風を受ける環境であれば、通常よりも早く劣化してしまいます。
また、潮風は内陸の風とは違い、塩分が含まれています。
金属の部分にはサビが出て見た目が悪くなるばかりか、構造の内部にサビを発生させた、それが膨れて塗膜を破ったり、外壁を剥がれ落としたりしてしまうこともあります。
そこで沿岸地域に住む私たちが住まいを長持ちさせようとするなら、「外装のメンテナンス」が、内陸の住まい以上に必要となってくるのです。
そこで、沿岸部ならではの住まいを長持ちさせるポイントを、外壁に焦点を当ててご紹介しましょう。
沿岸部ならではの、住まいを長持ちさせる3つの方法
1.外壁を小まめに洗う
潮風が当たった外装には、塩分が付いてしまっている状態です。
そのままにしておくと、外壁だけでなく内部の金属部分にまでサビが進行してしまいます。
そこでオススメなのが、家庭用の高圧洗浄機。
これを使って、壁に付いた塩分を小まめに洗い流すようにすると良いでしょう。
2.塩害に強い塗装を施す
一般に広く普及しているシリコン系塗料は、塩害の影響で耐用年数が通常よりも短くなり、5年~7年程度になります。
そこで、フッ素系塗料やアクリルシリコン樹脂系以上のグレードの塗料で塗装することをオススメします。
費用はシリコン系よりも高くなりますが、耐用年数は沿岸部でも15年~20年。
塗り替えサイクルを考えた長い目で見れば、お得になります。
3.塩害に強い外壁にする
潮風の当たる環境に家があるなら、外壁を張り替えるのも有効です。
オススメしたいのは、塩化ビニル樹脂を素材にした「樹脂サイディング」です。
「凍害対策に有効」ということで、国内では北海道や東北などの寒冷地域で普及しているものですが、塩害対策としても有効であることから、近年全国的に人気が出ています。
実は樹脂サイディング、北米で50年以上の歴史があり、そのシェアはアメリカで40%、カナダで60%。
素材は「塩化ビニル樹脂」ですが、自己消火性があり、防火認定構造として認められています。
重ね張りも可能で、施工費も抑えることができます。
いかがでしたでしょうか。
海が近く、環境の良い静岡だからこそ必要になってくる、住まいの注意点。
ぜひ、気に留めておきましょう!